「なみきっす」に取材されました
子どもに気持ちが伝わる話し方 講演会や親業クラブの講師を
していただいている田中 満智子さんが杉並区のママがつくる
フリーペーパー「なみきっす」に取材されました。
「なみきっす」の許可をいただき、掲載記事全文を
ご紹介させていただきます。
なみきっす 2012年4月号
親業訓練協会認定インストラクター
田中 満智子さん
子育てを楽しむ 手助けをしたい
30年以上区内の児童館に勤務され、数多くの親子と交流してこられた田中さん。長年の経験を活かし、現在も様々な形で子育て支援の活動を続けられている田中さんにお話をうかがいました。
――児童館に勤務されたきっかけは?
大学時代に社会福祉学を学んでいたのですが、週1回養護施設の訪問などもしていて、当時からずっと子どもと関わる仕事がしたいなぁとは思っていました。
23歳で結婚して京都から上京したんですが、当初アルバイトしていた大学の図書館で、東京都の児童館職員の募集があることを知って試験を受けたんです。当時の児童館職員は教員と一緒で、まず都の職員として採用されてから杉並区に配属されたんですよね。その後何年かあとで区の職員に所属が変わりました。
――児童館は、どちらに?
最初、天沼児童館に勤めて、1年後に新しく建った宮前児童館に異動しました。私が就職したS44年には、まだ区内に児童館が4館しかなかったんです。それから1小学校区に1つの児童館を作るという区の方針でどんどん出来て、今は区内で41館!当時は高度成長期で、車が増えて外遊びが危険になってきたり、空き地が駐車場になったりと子ども達の遊び場が減っていったという背景もありますね。
児童館も昔は子ども達が時間いっぱい遊んで帰っていくという感じでしたが、次第に塾や習い事に行く子どもが増えて、決まった時間になると帰っていくという姿が多くなりました。
――児童館ではどんなお仕事を?
午前中は3歳児の幼児グループをやってました。当時は児童館でお母さんと子どもが離れて過ごす活動をしていて、子どもは泣いて大変でしたけど(笑)、お母さん達は1週間に1時間でも子どもと離れて大人同士で話ができる、そして、その時にできたお母さん同士のつながりを
とても喜んでいらっしゃいましたよ。
他には、絵本も何も持たずにお話を語って聞かせるストーリーテリングの勉強会もやりました。最初、都の研修で児童文学者の松岡享子さんの講義を受けたんですが、その時、子ども達とお話の世界を共有できる体験がとてもすばらしいなぁと感じて、そのあと区でも1年間の研修をやらせてもらえるように上司にお願いしたんです。でも何度も練習しないと身につかないでしょう?(笑)だから有志で勉強会も始めて。「バクの会」っていうんですが、それは今でも続いてますよ。
いろんな国の昔話を生の声で聞いて、語る人の人柄に触れて、その物語の世界を体験するというのは、人生を学ぶ上でもすごく役に立つんですね。児童館では「お話の時間」という会でやっていたんですが、もっとたくさんの子ども達に体験してほしくて、小学校の授業でも「お話の会」を開いてもらえるように近くの学校に頼みに行ったこともあるんです(笑)。それで本当に全クラスの授業に取り入れてもらったりしました。
今もお母さん方のボランティアで「読み聞かせの会」が続いているようですね。
あとは「わらべ唄」の会。これも保育士さんと一緒の研修に出て学んだんですが、やってみてとてもよかったですね。
ハンガリーの「コダーイ・メソッド」という技法を基盤にした合唱団を持っている方が毎週無償で児童館に教えに来てくださったんですが、そのときのご縁で15年ほど前に「親業」に出会いました。
――親業に出会ったきっかけは?
児童館でお母さんたちにわらべ唄の講習会を開いたときの講師が親業訓練のインストラクターで、「親業もお母さんたちにすごくいいわよ」と教えてくれたのです。
「親業」というのは、トマス・ゴードンという臨床心理学者が1960年代に提唱した親子のためのコミュニケーションのプログラムなんですが、日本では1980年に「親業訓練協会」ができて、親が変われば子供が変わることを実感した親たちの口コミで広まりました。それからもう30年以上経ちますね。
――その後、ゆうラインのお仕事をされたと聞きましたが?
定年で児童館を退職してから、嘱託で子ども家庭支援センターの「ゆうライン」の担当になりました。電話でお母さんや子ども達の相談を受けるんですが、児童館と違って相手の顔が見えないし、どんなお子さんかもわからない。初めはどんなことを言ってあげたらいいのかすごく戸惑いましたね。本当にいろいろな悩みがあって、電話を切ってからも今のアドバイスでよかったのか考えることが多かったです。
その頃、もっと親子のコミュニケーション術を学んで相談に活かしたいと思って、
親業訓練インストラクターの資格を取りました。
――ずっと仕事を続けてこられた秘訣はありますか?
わたしは児童館の仕事が大好きで、夜も勉強会や何かで外出することも多かったんですが、夫が協力的で助けられました。娘は何も言いませんでしたが、大人になってからちょっと寂しかったって(苦笑)。
仕事を辞めずに続けてこられたのは、家族の協力もありますが、同じ環境で学ぶ仲間がいてくれたからだと思います。
今の働いているお母さんはすごくがんばっているなと思いますよ。体力があるなぁって。やっぱり旦那様の協力というか、気持ちの支えがすごく大きい。お前よくがんばっているなって、言ってあげるだけで違うと思いますね。
――今後の夢などはありますか?
若いお母さんに親業を伝えていきたいですね。親業の基本には親も子供もありのままを認め合うというのがあるのです。口で言うのは簡単だけど実践するにはコツがあって、それが親業なのです。親業を体得すると本当に気持ちが楽になって幸せになれる、そのことを伝えることができたらうれしいですね。
――子育て中のママ達にメッセージを。
寝る前の10分15分でもいいので、お母さん自身の声で、(そしてひざの上で、)お子さんに歌をうたったり読み聞かせをしてあげてほしいなと思います。
そして、お母さんがまず自分自身を大事にしてほしい。自分の人生は、自分が主役。今は子育ての情報が多すぎて、かえってストレスを抱えているお母さんが多いように思います。情報を選択するときに、まず自分を大切にすることを基準にして、心の平安を保ってほしいですね。あとはご主人と、本音で話せるような関係作りもぜひ大切になさってください。
プロフィール
一女の母。区内の児童館に30年以上勤務し、複数の児童館館長を歴任。退職後は、ゆうライン(杉並子どもと家庭の電話相談)の電話相談員を務める。現在は、親業訓練講座の認定インストラクターとして子育て支援に取り組んでいる。
京都市出身、久我山在住。
乙女座、A型。
子どもに気持ちを伝える話し方講演会
「親業クラブ」参加お問合せ先
すぎなみKids
http://suginamikids.com/
子ども同伴で「親業一般講座」を学べるコースです。
取材後記
おっとりと柔らかな物腰ながら、好奇心旺盛で、いつでも学ぶ姿勢を忘れない田中さん。豊富な知識を、ぜひ後に続くママたちに伝えてほしいと思いました。益々のご活躍を期待しております!
(取材 小池さなえ)
(2012.09.16 投稿)
していただいている田中 満智子さんが杉並区のママがつくる
フリーペーパー「なみきっす」に取材されました。
「なみきっす」の許可をいただき、掲載記事全文を
ご紹介させていただきます。
なみきっす 2012年4月号
親業訓練協会認定インストラクター
田中 満智子さん
子育てを楽しむ 手助けをしたい
30年以上区内の児童館に勤務され、数多くの親子と交流してこられた田中さん。長年の経験を活かし、現在も様々な形で子育て支援の活動を続けられている田中さんにお話をうかがいました。
――児童館に勤務されたきっかけは?
大学時代に社会福祉学を学んでいたのですが、週1回養護施設の訪問などもしていて、当時からずっと子どもと関わる仕事がしたいなぁとは思っていました。
23歳で結婚して京都から上京したんですが、当初アルバイトしていた大学の図書館で、東京都の児童館職員の募集があることを知って試験を受けたんです。当時の児童館職員は教員と一緒で、まず都の職員として採用されてから杉並区に配属されたんですよね。その後何年かあとで区の職員に所属が変わりました。
――児童館は、どちらに?
最初、天沼児童館に勤めて、1年後に新しく建った宮前児童館に異動しました。私が就職したS44年には、まだ区内に児童館が4館しかなかったんです。それから1小学校区に1つの児童館を作るという区の方針でどんどん出来て、今は区内で41館!当時は高度成長期で、車が増えて外遊びが危険になってきたり、空き地が駐車場になったりと子ども達の遊び場が減っていったという背景もありますね。
児童館も昔は子ども達が時間いっぱい遊んで帰っていくという感じでしたが、次第に塾や習い事に行く子どもが増えて、決まった時間になると帰っていくという姿が多くなりました。
――児童館ではどんなお仕事を?
午前中は3歳児の幼児グループをやってました。当時は児童館でお母さんと子どもが離れて過ごす活動をしていて、子どもは泣いて大変でしたけど(笑)、お母さん達は1週間に1時間でも子どもと離れて大人同士で話ができる、そして、その時にできたお母さん同士のつながりを
とても喜んでいらっしゃいましたよ。
他には、絵本も何も持たずにお話を語って聞かせるストーリーテリングの勉強会もやりました。最初、都の研修で児童文学者の松岡享子さんの講義を受けたんですが、その時、子ども達とお話の世界を共有できる体験がとてもすばらしいなぁと感じて、そのあと区でも1年間の研修をやらせてもらえるように上司にお願いしたんです。でも何度も練習しないと身につかないでしょう?(笑)だから有志で勉強会も始めて。「バクの会」っていうんですが、それは今でも続いてますよ。
いろんな国の昔話を生の声で聞いて、語る人の人柄に触れて、その物語の世界を体験するというのは、人生を学ぶ上でもすごく役に立つんですね。児童館では「お話の時間」という会でやっていたんですが、もっとたくさんの子ども達に体験してほしくて、小学校の授業でも「お話の会」を開いてもらえるように近くの学校に頼みに行ったこともあるんです(笑)。それで本当に全クラスの授業に取り入れてもらったりしました。
今もお母さん方のボランティアで「読み聞かせの会」が続いているようですね。
あとは「わらべ唄」の会。これも保育士さんと一緒の研修に出て学んだんですが、やってみてとてもよかったですね。
ハンガリーの「コダーイ・メソッド」という技法を基盤にした合唱団を持っている方が毎週無償で児童館に教えに来てくださったんですが、そのときのご縁で15年ほど前に「親業」に出会いました。
――親業に出会ったきっかけは?
児童館でお母さんたちにわらべ唄の講習会を開いたときの講師が親業訓練のインストラクターで、「親業もお母さんたちにすごくいいわよ」と教えてくれたのです。
「親業」というのは、トマス・ゴードンという臨床心理学者が1960年代に提唱した親子のためのコミュニケーションのプログラムなんですが、日本では1980年に「親業訓練協会」ができて、親が変われば子供が変わることを実感した親たちの口コミで広まりました。それからもう30年以上経ちますね。
――その後、ゆうラインのお仕事をされたと聞きましたが?
定年で児童館を退職してから、嘱託で子ども家庭支援センターの「ゆうライン」の担当になりました。電話でお母さんや子ども達の相談を受けるんですが、児童館と違って相手の顔が見えないし、どんなお子さんかもわからない。初めはどんなことを言ってあげたらいいのかすごく戸惑いましたね。本当にいろいろな悩みがあって、電話を切ってからも今のアドバイスでよかったのか考えることが多かったです。
その頃、もっと親子のコミュニケーション術を学んで相談に活かしたいと思って、
親業訓練インストラクターの資格を取りました。
――ずっと仕事を続けてこられた秘訣はありますか?
わたしは児童館の仕事が大好きで、夜も勉強会や何かで外出することも多かったんですが、夫が協力的で助けられました。娘は何も言いませんでしたが、大人になってからちょっと寂しかったって(苦笑)。
仕事を辞めずに続けてこられたのは、家族の協力もありますが、同じ環境で学ぶ仲間がいてくれたからだと思います。
今の働いているお母さんはすごくがんばっているなと思いますよ。体力があるなぁって。やっぱり旦那様の協力というか、気持ちの支えがすごく大きい。お前よくがんばっているなって、言ってあげるだけで違うと思いますね。
――今後の夢などはありますか?
若いお母さんに親業を伝えていきたいですね。親業の基本には親も子供もありのままを認め合うというのがあるのです。口で言うのは簡単だけど実践するにはコツがあって、それが親業なのです。親業を体得すると本当に気持ちが楽になって幸せになれる、そのことを伝えることができたらうれしいですね。
――子育て中のママ達にメッセージを。
寝る前の10分15分でもいいので、お母さん自身の声で、(そしてひざの上で、)お子さんに歌をうたったり読み聞かせをしてあげてほしいなと思います。
そして、お母さんがまず自分自身を大事にしてほしい。自分の人生は、自分が主役。今は子育ての情報が多すぎて、かえってストレスを抱えているお母さんが多いように思います。情報を選択するときに、まず自分を大切にすることを基準にして、心の平安を保ってほしいですね。あとはご主人と、本音で話せるような関係作りもぜひ大切になさってください。
プロフィール
一女の母。区内の児童館に30年以上勤務し、複数の児童館館長を歴任。退職後は、ゆうライン(杉並子どもと家庭の電話相談)の電話相談員を務める。現在は、親業訓練講座の認定インストラクターとして子育て支援に取り組んでいる。
京都市出身、久我山在住。
乙女座、A型。
子どもに気持ちを伝える話し方講演会
「親業クラブ」参加お問合せ先
すぎなみKids
http://suginamikids.com/
子ども同伴で「親業一般講座」を学べるコースです。
取材後記
おっとりと柔らかな物腰ながら、好奇心旺盛で、いつでも学ぶ姿勢を忘れない田中さん。豊富な知識を、ぜひ後に続くママたちに伝えてほしいと思いました。益々のご活躍を期待しております!
(取材 小池さなえ)
(2012.09.16 投稿)
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講演会、親業、杉並
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